体調が悪いとき、早めのご相談を
本日は早めの相談の重要性についてお話ししたいと思います。
10月までかかりつけ医に通っていたご高齢の方が11月に入って急に調子が悪くなり、ごはんも食べられず、動けなくなったとのことでご相談があり、訪問しました。10月の前医受診時には大丈夫だと言われていたようですが、そのときの採血データを見せてもらうとすでに入院を要するレベルの炎症指標が出ていました。持病のリウマチの影響もあったかもしれませんが、それにしても高い数値ではありました。その後の当院の血液検査では炎症指標が生命の危機となる水準まで上昇し、39度近い熱を認める状態でした。ただちに訪問看護と訪問薬局を導入し、抗生剤加療を開始しましたが、治療が間に合わずそのまま看取りとなりました。
医療での「たられば」はタブーではありますが、せめて10月時点で炎症の悪化に気がついていれば・・・11月入って動けなくなったときにもう少し早めに相談を受けていれば・・そうした思いが残ってしまうのが正直なところです。十分に状態を改善できず悔いは残りますが、まだ訪問が間に合ったおかげで本人さんや家族さんのご希望通りに最後まで自宅で過ごすことができ、訪問診療が入っていることで警察沙汰になることが避けられたのは不幸中の幸いでした。
高齢の方は熱や症状が出にくい場合も多く、持病によっては見た目以上に深刻な状態になっていることもあるので不調で通院困難になっているときは早めにご相談いただけたらと思います。また、家で最期を迎えるとき、訪問診療などで主治医に診てもらっていたらそのまま病気などによる死亡ということでお看取りができます。しかし、そうでない場合は事件性がないかを調べるため、警察による取り調べを受け、場合によっては司法解剖を要することとなり、穏やかな最期を迎える妨げとなる可能性がありますので注意が必要です。
最期は家族で静かに見送りたいという方はどうか早めの訪問診療導入をご検討ください。家族さんからの電話相談も受け付けていますし、事前面談も可能です。ケアマネジャーがいらっしゃる場合はケアマネジャーを通してご依頼いただけるとスムーズに調整できますのでぜひともお声がけください。