訪問診療
セレン欠乏症について
皆様は「セレン」というミネラルをご存知でしょうか?
セレンは必須ミネラルのひとつで、不足すると爪の白色化、心機能低下、下肢痛、甲状腺機能異常、大球性貧血などを起こし、ひどい場合はKeshan病による心筋壊死で死に至ることもあり、とても大事な栄養素だといわれています。
通常の食事ができていれば足りなくなることはあまりないので気にしなくて大丈夫ですが、口から食事をとることができず、点滴や経過栄養などで長期にわたって栄養療法を受けている方はセレン欠乏症を起こす可能性があるので注意が必要です。その他、透析やC型肝炎、拡張型心筋症などの方もセレン欠乏症を起こしやすいことがわかっています。
セレン欠乏症の治療はもちろんセレンの投与です。口から食べられない方に欠乏するので点滴や注射で投与する事になります。訪問診療・訪問看護を導入すればご自宅で投与することができます。
胃ろうや経鼻胃管から長期間栄養されている方、重症心身障害などで経口摂取ができない方は注意が必要です。セレン欠乏症は血液検査で調べられますが、保険適応には要件がございます。詳しくは当院までご相談ください。