高齢者の薬が多すぎる?在宅医療で行う薬の見直し
在宅療養中の高齢者では、複数の医療機関を受診しているうちに、薬の種類が少しずつ増えていくことがあります。
「薬が多すぎる気がする」
「何の薬を飲んでいるのかわからない」
「最近ふらつきや眠気が増えた」
「睡眠薬や安定剤を長く飲み続けている」
このようなお悩みはありませんか?
高齢者の薬の問題でよく使われる言葉に、ポリファーマシーがあります。
ポリファーマシーとは、単に薬の数が多いだけではなく、薬の副作用、飲み間違い、飲み合わせ、服薬管理の難しさなどにより、本人の生活に支障が出ている状態を指します。
薬は病気の治療に必要なものです。
しかし、年齢や体調、生活環境が変わると、以前は必要だった薬が今の状態に合わなくなることもあります。
当院では、在宅医療を開始する際に、まず患者さんの病歴や治療歴をできる限り正確に把握することを大切にしています。
必要に応じて、これまで受診歴のある医療機関から診療情報を取り寄せ、過去の病気、検査結果、治療方針、薬が開始された理由などを確認します。
そのうえで、現在の内服薬が患者さんにとって本当に必要か、今の全身状態に合っているかを検討します。
薬の見直しは、単に「薬を減らす」ことが目的ではありません。
大切なのは、その方にとって必要な薬を、必要な量で、安全に使える状態に整えることです。
不要と思われる薬は、本人・ご家族と相談しながら慎重に減量や中止を検討します。
一方で、必要な治療については、現在の状態や治療ガイドラインなども参考にしながら、より適した処方へ変更することもあります。
特に高齢者で注意が必要なのが、ベンゾジアゼピン系と呼ばれる睡眠薬や抗不安薬です。
これらの薬は、不眠や不安に対して処方されることがありますが、高齢者では眠気、ふらつき、転倒、せん妄、認知機能低下、依存性や耐性などに注意が必要です。
もちろん、すべての睡眠薬や安定剤が悪いわけではありません。
ただし、長期間なんとなく続いている薬については、「今も本当に必要か」「他の方法に変更できないか」を確認することが大切です。
当院では、睡眠薬や安定剤を急に中止することはありません。
患者さんの睡眠状況、不安の程度、生活リズム、ご家族の介護状況を確認しながら、必要に応じて体への負担が少ない薬への変更や、少しずつ量を調整する方法を検討します。
在宅医療では、ご自宅での生活状況を見ながら薬を調整できることが大きな特徴です。
食事量、眠気、転倒、排便、痛み、認知機能、介護の負担などを確認しながら、患者さんに合った薬の内容を考えていきます。
次のような場合は、薬の見直しが必要な可能性があります。
- 薬の種類が多く、管理が難しい
- 複数の病院から薬が出ている
- 最近ふらつきや転倒が増えた
- 日中の眠気が強い
- 物忘れが急に目立ってきた
- 睡眠薬や安定剤を長く飲んでいる
- 退院後に薬が増えたままになっている
- 家族が薬の管理に困っている
薬は自己判断で減らしたり、中止したりすると危険な場合があります。
気になる症状がある場合は、お薬手帳や薬剤情報、現在飲んでいる薬をご準備のうえ、医師にご相談ください。
当院では、在宅療養中の患者さんが安心して生活できるよう、薬の内容を丁寧に確認し、本人・ご家族と相談しながら治療方針を考えています。
「薬が多すぎるのではないか」
「睡眠薬を長く飲んでいて心配」
「在宅で薬の管理が難しい」
このようなお悩みがある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
