「切らない褥瘡ケア」
在宅医療で大切にしている褥瘡管理の考え方
「褥瘡(床ずれ)は切らないと治らないのでは?」
そのように思われる方も少なくありません。しかし、在宅医療では安易に「削る」「切る」といった外科的デブリードマンを行わず、原因に丁寧に向き合うことで改善を図ることが可能です。
当院では、褥瘡の状態を整えながら、ご本人とご家族にとって負担の少ない方法で治癒をめざす診療を行っています。
褥瘡が悪化する原因
褥瘡が重症化し「切らないと治らない」状態になる背景には、さまざまな要因が絡んでいます。
・体圧が一点に集中する
・摩擦やずれが繰り返される
・皮膚の乾燥や衛生状態の悪化
・サルコペニア(筋肉量低下)
・低アルブミン血症をはじめとする栄養不良
・認知症による体動困難やケアの難しさ
・糖尿病や血流障害などの基礎疾患
・感染の併発
褥瘡は皮膚だけの問題ではなく、全身状態や生活環境が深く関わります。そのため、外科的に表面を削るだけでは根本的な改善には至りません。
在宅医療でできる褥瘡予防とケア
ご自宅での褥瘡管理では、以下の対策が特に重要です。
・体圧分散マットの使用
・2〜3時間ごとの体位調整
・皮膚の保湿と適切なスキンケア
・創部の湿潤環境を整える処置
・感染の早期発見と管理
・食事・サプリメントによる栄養改善
・脱水予防
・日中の活動量確保(可能な範囲で)
在宅環境に合わせた調整を行うことで、褥瘡の進行は大幅に抑えられます。
当院が大切にしている「切らない」褥瘡ケア
当院の褥瘡治療は、外科的デブリードマンを最小限にし、以下の5つの柱を重視しています。
- 原因の正確な評価
- 患部を乾燥させすぎない湿潤療法
- 感染の管理と適切な創傷処置
- 体圧分散マットや自動体位変換マットの導入
- 栄養状態の改善(特に低アルブミン・亜鉛不足)
在宅医療では、「切る・削る」介入は出血や感染リスクが高まるため、状態を見極めたうえで慎重に行います。多くのケースでは、原因に対する地道なアプローチで改善が期待できます。
実際にあった褥瘡管理の例
守口市の患者さんのケースです。
当時95歳女性で認知症、低栄養、脳卒中後の麻痺で寝たきりの期間が長く、大転子部、仙骨部に黒色壊死を伴う深い褥瘡がありましたが、体圧分散マットの導入と栄養改善を行い、湿潤環境を保つ処置を継続しました。
外科的処置を行うことなく、数週間で痛みの軽減と肉芽形成が進み、全身状態も安定しました。その後褥瘡の痛みから解放され、穏やかに過ごされました。
個々の状態によって経過は異なりますが、適切な環境調整と創傷ケアで改善が見込めるケースは多くあります。
褥瘡ケアでお困りの方へ
当院は、守口市・近隣地域で訪問診療を行っています。
褥瘡がなかなか治らない、ケアの方法が分からない、家族の介護負担が大きい──
そのようなお悩みがあれば、まずは一度ご相談ください。
ご相談・お問い合わせ
電話:06-4250-9233
フォーム・LINEからも受け付けています。
